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疲労回復には重炭酸泉の入浴剤を!その健康効果と理由

疲労回復には重炭酸泉の入浴剤を!その健康効果と理由

スーパー銭湯などに設置される事も増えてきた炭酸泉。美容や健康に効果的でもあり、愛用している方も多いのではないでしょうか。

そもそも炭酸泉の効果とは?

炭酸泉は、その名前の通り炭酸が溶け込んだお湯ですが、元々はヨーロッパにある天然の炭酸泉が健康に良い効果を発揮していうという事から研究されるようになりました。

炭酸泉の効果を簡単に説明すると、

・お湯の中の炭酸が、血管に入り込む

・血液中の炭酸(二酸化炭素)が増加する

・血液中の炭酸濃度が濃くなり、酸素が不足していると脳が判断する

・細胞に送られる酸素の量を一定に保つため、血管が拡張されて血流量が増える
※専門的な部分でいうと「プロスタグランジンE2」という、血管拡張ホルモンが分泌され、血管が拡張される

・血流が良くなる(細胞への血液供給量が増える)

・細胞側も、酸素が不足していると勘違いして血液からの酸素を多く受け取るように頑張る(ボーア効果)

・細胞が酸素をたっぷり取り込み、活性化

というもので、血流が良くなる事で疲労物質の排出を促進したり、細胞に栄養がいきわたり、活性化しやすくなるため健康面・美容面に良い効果を発揮するのです。

この「心臓に負担をかけずに血流を促進する」効果から炭酸泉は「心臓の湯」ともよばれ、動脈硬化などの予防やリハビリにも効果的であるため、ドイツでは健康保険の適用対象治療にも用いられています。

炭酸泉による美容、健康効果

具体的に炭酸泉の効果による美容、健康面の影響としては、以下のようなものがあります。

・細胞の活性化により傷、怪我の回復が促進される
・血管拡張により老廃物が流れ、血流が良くなるため血圧が下がる&血栓などの予防
・肌のターンオーバーが促進され、シミなどの肌トラブル改善
・炭酸自体の抗炎症作用による皮膚トラブル改善
・ぬるめの温浴による自律神経への作用で神経痛等の軽減

炭酸泉による血行促進はあくまでも体の働きを促進した結果

よく勘違いされやすい事が、炭酸泉の成分が体を温めるというものですが、前述の通り「脳を勘違い」させて「体の働きを促進する」効果を持つだけなので、炭酸ガスが血管を拡張するような効果をもっているわけではありません。
そのため、炭酸飲料などを飲んで炭酸を吸収しても同様の効果は発揮されず、あくまでも炭酸泉による効果であるといえます。

炭酸泉と重炭酸泉

銭湯などに設置されている炭酸泉には、高い濃度をうたっていたりするものもありますが、炭酸泉は基準として1000ppm(百万分の千=千分の一)の濃度で炭酸が溶け込んでいる状態が、十分に効果を発揮するものとされています。
十分に濃い濃度の炭酸泉では、入浴するとすぐに肌へ気泡がつき、炭酸の泡に包まれたような状態になるため、炭酸泉に入浴しているという事がとてもよく分かり、感覚的にも効果がありそうな気がしますよね。

しかし、実は最近炭酸泉による血流改善の効果は、単純な炭酸ではなく、重炭酸イオンという成分が重要であるという事が判明してきました。重炭酸イオンは実は元々体の中で、血液が酸性に傾き過ぎないようにするという重要な役割をもっていて、経皮吸収して血液中に溶け込む事ができる性質ももっています。
一方で、炭酸はそのまま経皮吸収されにくく、肌の表面に気泡が沢山ついていても、炭酸が血液中にとけこむ量は微量で、心臓の湯として利用されているような炭酸泉は、単純な炭酸濃度ではなく重炭酸イオンの濃度が高いため、効果を発揮しやすいといわれています。

重炭酸イオンは血液中で炭酸に変わる

重炭酸イオンが血液に取り込まれると、血液中に存在する水素と結合する事で炭酸と水に変化します。
炭酸泉による効果は、単純に炭酸が経皮吸収でとりこまれて発生するのではなく、炭酸泉中の重炭酸イオンが体内にとりこまれ、体内で合成された炭酸によって引き起こされるという面が強いのです。

また、一時期水素ブームにより「水素=健康に良い」というイメージがあるため、水素と結合するというと、体内の水素を消費してしまい健康に悪い印象も受けますが、水素自体は体内で合成され続けているものであり、水素が多すぎると血液が酸性に傾いてしまうため、体内で分量をコントロールされている成分でもあります。
その上で、炭酸泉によって取り込まれた重炭酸イオンが消費する水素の量はそこまで多いわけではないため、健康面でマイナスになるような事はほぼ無いといえます。

重炭酸泉に家庭でも入れる入浴剤が増えている

これまでは、炭酸泉を自宅で作る場合、入浴剤または重曹やクエン酸を利用して炭酸ガスを発生させる事が多かったのですが、この方法では体内への作用に十分なレベルでの炭酸は発生させにくく、家庭での炭酸泉と自然の炭酸泉では効果が大幅に異なるような状況でした。
しかし、最近では、炭酸濃度ではなく重炭酸イオン濃度が重要という事がわかり、かつ重炭酸イオンは空気中にすぐ抜けてしまわないというような性質もあるため、重炭酸イオンを豊富に作り出せるような入浴剤も一般販売されてきており、家庭である程度しっかりとした効果の重炭酸泉を作る事も出来るようになってきました。

重炭酸泉は体に泡が付着するようなものではないため、視覚的には分かりにくいのですが、実際に入浴してみると体の温まり方などに強く影響する事が実感しやすく、取り入れている人も増えているようです。

これから先、重炭酸泉の入浴剤を見かける事も増えていくかと思いますが、是非一度その効果を試してみてはいかがでしょうか。

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