美容成分を肌の奥まで届ける「リポソーム」とは?
美容液の成分などを肌の角質細胞に浸透させる技術として、よく用いられるリポソーム化というものがあります。
耳慣れない言葉ですが、どのようなものなのでしょうか。
そもそもリポソームが必要になる理由は、肌のバリア機能の性質から
そもそも、このリポソームが必要になる理由についてですが、これは肌のバリア機能がとても特殊な性質を持っている事が原因となります。
人の肌は、外部から様々な物質が侵入してくるのを防ぐため、下図のようなバリア機能を持っています。
図のように、細胞と細胞の間にある成分は、水分と油分がミルフィーユのように重なる形状になっていて、これをラメラ構造と呼びます。
この構造にどんな意味があるかというと、例えば肌の上から水に溶けやすい成分が入り込もうとすると油分の層で侵入を弾かれ、逆に油に溶けやすい成分が入り込もうとすると水分の層で弾かれる事になり、世の中のおおくの物質はこの水か油どちらかに溶けやすいという性質をもっているため、外部から肌への侵入を防ぐ事ができるのです。
肌のバリアを突破するための方法がリポソーム化
そして、この肌のバリアを突破するために用いられる方法こそが、リポソーム化です。
リポソーム化とは、図にするとこのような形になります。
中央に肌の奥に届けたい美容成分があり、これをリン脂質という油にとけやすい部分と、水に溶けやすい部分の両方をもった物質でカプセルのように囲む形になっています。
こうする事で、肌のバリアの油分の層、水分の層を順番において順番にこのカプセルが溶け出していき、肌の奥まで美容成分を届ける事が可能となるのです。
分解されて溶けてしまったリン脂質も無害
また、上記の図のようにリポソームで作られたバリアは肌の中に溶け出していく形となりますが、リン脂質は元々人の体に存在している成分であり、特に害はありません。
人の体に害がなく利用できるため、コスメや医療といった分野で積極的に利用されているのです。
EGF成分など、肌の奥に浸透させる必要がある成分を利用する場合、リポソーム化などにより浸透力を高めたものを利用すると、より高い効果が望めますので、一つのポイントにしてみてはいかがでしょう。
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