ボトックス注射とはなにか？

最近プチ整形として耳にする事も増えてきたのではないでしょうか「ボトックス注射」。
小顔やシワ改善、ワキ汗の解消など、色々なものに使われるこのボトックス注射について紹介します。

ボトックス注射は毒！？

ボトックス注射とは、ボツリヌス毒素製剤とよばれるものの一つで、ボツリヌス菌という菌が作り出す毒素「ボツリヌストキシン」を利用して、治療を行うものです。

毒を利用というと少し怖い気もしますが、毒というのはそもそも体に対して”強すぎる”反応を起こしてしまう物質だからこそ毒なのであって、作用を弱めて適切に使用すれば薬として扱えるものとなります。
逆に言えば、薬だって沢山飲み過ぎれば副作用が強く出過ぎて毒になってしまいますよね。

ボトックスで使われる毒は強力

ボトックス注射に使われる「ボツリヌストキシン」という毒素は、自然界において最も強い毒素の一つとして知られており、手のひらいっぱい(500グラム)の量があれば、世界中の全人口の致死量に相当すると言われています。
もちろんボトックス注射に使用される分量は人命に影響があるようなものでは全くないので心配ありません。

ちなみに、このボツリヌス菌は元々ソーセージやハムなどの加工食品を食べた際に食中毒の原因として見つかった菌で、語源はラテン語のbotulus＝腸詰め。ソーセージ以外にも、蜂蜜に含まれるようなケースが多く、幼児に蜂蜜を食べさせてはいけないというのはこのボツリヌス菌による中毒を避けるためという面があります。
近年ではボツリヌス菌は空気や熱に弱いのであまり問題になる事はありませんが、缶詰など密封された食品で稀に中毒症状を引き起こす場合があるようです。

ボトックス注射の効果

ボツリヌストキシンは神経に作用し、筋肉の働きを弱らせるなど、いわゆる「麻痺」の状態にする作用を持ちます。
ボトックス注射はこの作用を利用して行うもので、簡単に言えば注射した部分を麻痺させて働かないようにする事で、シワを改善したり汗を止めたりするという効果を得ることが出来ます。

シワの改善に対するボトックス注射の効果

シワ、特に小じわの多くは筋肉の動きによって皮膚が一ヶ所に集まり、折りたたまれた状態が頻繁に続く事によって、その形状が固定されてしまったものが殆どです。
そのため、そもそも筋肉の動きを弱めてシワになるような状態を作らなければ、皮膚は伸びた状態が続くため改善されていきます。
ボトックス注射を打つと筋肉の働きが弱まりますので、特に眉間や目尻など、表情によってできてしまうようなシワを改善する事ができるのです。

ただし、ボトックス注射はシワそのものを伸ばすわけではないので、例えば眉間に注射をすれば眉間の筋肉が動かしにくくなり、表情が硬くなるなどのデメリットもあります。

エラやふくらはぎの張りを解消

ボトックス注射は筋肉の働きを弱めるため、エラやふくらはぎなど、筋肉が緊張し続ける事によって張ってしまった状態を解消する事ができます。
筋肉の緊張を解消する事でハリが無くなり、すっきりとした見た目にする事ができます。

ボトックス注射で汗を抑える効果

ボトックス注射が働きを弱めるのは筋肉だけではなく、汗腺の働きも弱める働きがあります。
この作用を利用し、例えばワキなどにボトックスを注射する事で、ワキ汗をかかないようにする事ができます。

ボトックス注射の持続期間

ボトックス注射は、その持続期間が約２～３か月だと言われており、効果が切れたら再度注射を行う必要があります。

しかし、例えばシワの改善のためにボトックス注射を行った場合、注射した部位の筋肉はしばらく弱まった状態になりますので筋力そのものの弱まりもありますし、効果が続いている間に表情などを気を付けていれば、しわが出来てしまうような表情をしなくなるなど、根本的な解消につなげる事も可能です。

汗の改善については効果が切れたらもとに戻ってしまいますが、例えば一番気になる夏の季節だけボトックス注射で乗り切るなど、利用シーンを適切な形にすれば、十分な効果を感じる事ができるのではないでしょうか。

ここ最近ではボトックス注射を行うクリニックも増加し、価格も抑えられてきていますので、気になる部分を解消する一つの方法として取り入れてみてはいかがでしょうか？