剃刀で毛を処理していると太くなる、濃くなる？

「剃刀で剃れば剃るほど毛が濃くなったり太くなったりする」という話をきいたことがある方は多いはず。
確かに剃刀で剃っていると、生えてくるスパンが早くなってくるような、そして肌全体に黒っぽくなって毛が増えているのではないか、というような感じがするものですが、実際のところはどうなのでしょうか。

基本的には「剃ったからといって太くなることはない」ものの……

剃刀で剃ると毛が太くなったように思える理由として、「毛の断面が斜めになるため、面積が太くなってみえる」ということがあげられます。
料理をする方なら、きゅうりやごぼうの断面を思い浮かべてみるとわかりやすいでしょう。
剃刀は皮膚に対して斜めにあてて動かしますから、毛に対して垂直に切ることは難しく、毛が少し伸びてきた時に斜めの断面が目立ち、「あれ？太くなった？」と感じてしまうのです。

皮膚への刺激によって本当に毛の濃さが変化するという実験結果も

ですが近年、「皮膚に過度な刺激を与え続けると毛が濃くなる」という研究結果もマウス実験ではありますが発表されており、人のムダ毛についても同じことが起きている可能性はあります。

埋没毛や色素沈着の影響も

埋没毛とは、毛を剃った時に肌が傷つけた結果、毛穴を塞ぐ形でかさぶたができてしまい、そのまま皮膚がかぶさってしまった状態をいいます。埋没毛では、毛が中で伸びてしまうことも多く、皮膚の下にあるため剃刀で剃っても処理することができず、一見太い毛が残ってしまっているような印象を与えます。

また、剃刀を当てるたびに皮膚の表層の角質がはがれることから、皮膚の防御作用が働き、メラニンが増殖。いわゆる「黒ずみ」となる色素沈着を起こしてしまうこともあります。
この肌の黒ずみも毛が濃くなったようにみえる原因になります。

以上のことから、「剃刀で毛を剃っても毛が太くなることはない」ものの、「肌に刺激を極力与えないように処理することが大事」、ということがわかります。
毛を剃るときは刺激を与えないようにプレケアとアフターケアをきちんとした上で、正しく剃刀を使うよう心がけたいものです。