老化って結局どういう事なの？

年齢とともに人は老化していくけど、老化って結局どういう事なんでしょうか。
細胞が常に生まれ変わっているのに、なぜ人は老化していくのでしょうか。

老化とは、身体の機能が低下していくこと

老化は、簡単に言えば「加齢によって起こる、取り戻す事が出来ない、身体の機能の低下のこと」を指します。

病気によって身体の機能低下が起こったりするのは加齢が原因ではないですし、取り戻す事が出来る部分ですので老化には当たりません。

老化の原因は、実はまだ正確な事がわかっているわけではなく、いくつかの説があります。

その主要な説として、テロメア説や活性酸素説があります。

テロメア説について

テロメアとは、人の染色体（DNA）に存在する構造の事で、生き物が老化していくのと密接な関係があるといわれているものです。

生き物の身体は膨大な数の細胞が集まり、細胞分裂を起こす事で作られていますが、テロメアはこの細胞分裂の回数を制限しているといわれています。

細胞分裂を起こすとその細胞に存在していたテロメアが少なく(短く)なっていき、ある程度テロメアが少なくなると、それ以上の細胞分裂が行われず、細胞としての寿命を迎えます。

つまり、テロメアが無くならない限り、細胞は無限に増殖し続けていくため、老化は起きないのです。

実は、人の生殖細胞などは「テロメラーゼ」というテロメアを修復する酵素が働くため、無限に増殖する事が出来ます。
がん細胞はこのテロメラーゼが、本来働かないはずの細胞で働いてしまうために、細胞が無限に増殖して発生するといわれています。

もしもこのテロメラーゼを、上手にコントロールする事が出来るようになったとしたら、老化という現象を無くす事が出来るかもしれません。

活性酸素説について

全ての生き物は、酸素を利用して活動するためのエネルギーを得ています。

しかし、酸素は身体にとって良い効果ばかりではなく、鉄が酸化してサビていくように、身体の機能も酸素によってサビて低下していきます。
この、サビさせる効果を持つ酸素を活性酸素といいます。

サビさせるとは言っても、鉄などのように茶色い塊がつくわけではなく、実際は細胞が持つ遺伝子や、細胞を作るための脂質・たんぱく質などを傷つけ、それが原因となって身体の機能が低下していくという事です。

実際、心筋梗塞や脳卒中などの病気や、肌の機能が低下していく原因などにはこの活性酸素が深く関わっている事が発覚していて、活性酸素の増加を防止することが、老化現象を抑えるために効果的であることが判明しています。